風車の前の橋を荷物を担いだロバと農民が渡っている牧歌的な風景に心惹かれる小さな絵画のようなセルロイド製のブローチです。
この種類のブローチは1920年代から30年代にかけてフランスで製作されていたスタイルで、セルロイドを幾層にも重ねシーンに遠近感を演出しています。裏にカバーはないため洋服の色や柄がブローチに反映し、いろいろな背景を楽しむことが出来ます。またブローチピンの受けの部分はチューブを引いて着脱するスタイルになっています。この様式のクラスプは1850年ごろから第二次世界大戦の後まで主にヨーロッパで多く使用されていました。大きさは約48mm×39mm、シーンブローチはどれも繊細な作りのため経年や使用によるダメージがあるものも多くありますが今回ご紹介するブローチは珍しい着色タイプ、ほぼ未使用と思われ、コンディションはヴィンテージとしては良好です。アンティークジュエリーファンにもお勧めできるひと品です。